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考え方

CTO代行のデメリットを、提供する側が正直に書きます

株式会社adding 代表 / CTO代行・編集方針

正直に書くと、CTO代行を頼まないほうがいい会社はあります。僕はCTO代行を提供していますが、技術に悩む会社すべてに合うとは考えていません。実装する人を採用したほうがいい会社もあります。

正社員の技術責任者を採用したほうがいい会社もあります。

CTO代行のデメリットには、外部人材なので消せない欠点と、契約や運用で小さくできる欠点があります。二種類の欠点を分けないまま契約すると、期待した成果を得にくくなります。CTO代行を提供している僕が、頼まないほうがいい会社の条件から書きます。

CTO代行のデメリットが大きい会社は4種類あります

一つ目は、足りない役割が技術判断ではなく、実装する人だけの会社です。作る機能も優先順位も決まっており、設計を評価できる人も社内にいます。必要な人材はCTO代行ではなく、手を動かすエンジニアです。

技術判断が社内で回っているのに外部CTOを加えると、会議と確認相手が増えて意思決定が遅くなる場合があります。

二つ目は、事業の判断まで外部に渡したい会社です。技術的な選択肢を整理し、費用やリスクを経営者の言葉に翻訳する仕事はCTO代行が担えます。一方で、誰の課題を解くのか、予算をいくら使うのか、失敗のリスクをどこまで取るのかは経営側が決めます。

経営判断から降りる目的でCTO代行を入れても、責任者が不在になるだけです。

三つ目は、社内に担当者を置けない会社です。社内担当者はエンジニアでなくても構いません。事業の背景を説明し、提案を社内へ持ち帰り、人と予算を動かせる人が必要です。

担当者がいなければ、外部CTOが提案しても実行へ移せません。僕なら契約より先に、社内担当者を決めてもらいます。

四つ目は、フルタイムの技術責任者が必要な会社です。毎日の人材評価や組織運営、緊急対応まで一人の責任者が背負う段階です。経営会議にも継続して参加する必要があります。

正社員CTOや正社員の技術責任者が向いています。外部人材の稼働を増やしても、雇用関係や組織内での立場まで同じにはなりません。CTO代行を正社員CTOの安い代用品として選ぶと、期待がずれます。

四つの条件に当てはまる場合、僕ならCTO代行を勧めません。事業の優先順位を経営側で決められており、判断に必要な技術の物差しだけが足りない会社には向いています。経営と技術をつなぐ役割が必要かどうかで判断してください。

CTO代行のデメリットには、外部である以上なくせないものがあります

最初のデメリットは、稼働時間に上限がある点です。外部人材は、合意した時間と範囲で仕事をします。連絡方法や返答時間を決めれば待ち時間は減らせますが、正社員と同じ常時対応にはなりません。

日々の細かな相談へ即座に答える人が必要なら、限られた稼働のCTO代行は合いません。

会社固有の情報を理解するまでに時間がかかる点も、外部人材に共通する欠点です。過去の仕様を選んだ理由や、取引先との約束、チーム内の暗黙の前提は資料だけでは読み取れません。外部の視点は、社内の思い込みを疑う場面で役立ちます。

ただし、情報が足りない段階で正論だけを伝えると、現場の納得を得られません。

社外へ情報を開く必要もあります。技術判断には、ソースコードやクラウド設定などへのアクセスが必要になる場合があります。外部の人に権限を付与する以上、社内だけで情報を扱う体制より接点が増えます。

秘密保持契約や権限管理でリスクを下げられますが、社外との接点はなくなりません。

経営者の最終責任も移せません。CTO代行は技術案を比較し、推奨案とリスクを示せます。予算を承認し、事業としてリスクを引き受ける判断は経営側に残ります。

技術判断を支援してもらう契約と、経営責任を手放す契約は別です。

CTO代行のデメリットには、契約と運用で小さくできるものもあります

責任範囲の曖昧さは減らせます。「CTO代行をお願いします」だけでは、助言が欲しいのか、開発会社との調整を任せたいのか、設計や実装まで頼みたいのかが分かりません。相談する内容、外部CTOが決める内容、経営者が決める内容を普段の業務に置き換えて合意します。

稼働・報酬・情報管理の決め方は、CTO代行の契約書で確認すべき条項でも説明しています。

知識が社内に残らない問題も運用で減らせます。会議の結論だけではなく、選ばなかった案と判断理由を記録します。社内担当者にも議論へ参加してもらい、次回は社内で同じ判断ができる状態を目指します。

CTO代行が答えを出し続けるほど社内が判断できなくなるなら、支援ではなく依存が進んでいます。僕は、契約期間の長さを成功とは考えていません。社内で技術判断が回り、外部の役割を減らせる状態も成果です。

担当者との相性や能力の差も、契約前の面談で見極められます。過去の肩書きだけで選んではいけません。過去に難しい判断をした場面、判断を間違えた場面、非エンジニアへ説明した方法を聞いてください。

CTO業務委託で任せる仕事と契約の考え方も先に確認し、面談では依頼する仕事に近い判断経験を聞いてください。

費用への不満は、金額と役割を同時に比べると防ぎやすくなります。安い契約でも、必要な判断が返ってこなければ割高です。高い契約でも、実装まで期待しているのに助言だけなら失敗です。

CTO代行の費用と役割の違いを確認し、月額ではなく任せる仕事から契約を選んでください。

CTO代行で失敗しないために、契約前に5つ決めます

最初に、解決したい経営課題を一文で決めます。「開発会社の見積もりを判断できない」「エンジニア候補者を面接で評価できない」のように、止まっている場面まで具体化します。「技術全般を任せたい」では範囲が広すぎます。

次に、技術判断、経営判断、実行作業の担当者を分けます。外部CTOが推奨案を出し、経営者が予算を決め、エンジニアや開発会社が実行する形なら、責任の境界が分かります。成果物を作る人と、成果物を評価する人も分けたほうが安全です。

連絡方法と返答の期待値も決めます。定例会議の回数、チャット相談の範囲、緊急時の連絡方法を契約前に確認します。会社側の期待と提供側の稼働が合っていれば、「連絡が遅い」「契約外の依頼が多い」という不満を減らせます。

社内担当者と判断記録の置き場所も決めます。議事録を増やすだけでは足りません。選択肢、採用した案、採用しなかった案、判断理由、次に見直す条件まで残します。

正社員の技術責任者が入ったとき、判断記録を読めば引き継げる状態が理想です。

契約の終わり方も最初に決めます。終了時に返してもらう資料、停止するアカウント、引き継ぎ期間を確認します。正社員採用を待つ間はCTO代行で技術判断を進め、採用後は外部の役割を縮小する運用も考えられます。

採用とCTO代行を二者択一にせず、事業の速度を落とさない順番を考えてください。

依頼を迷っている経営者からよく出る質問

CTO代行は情報漏えいの危険が高いですか?

外部にアクセス権限を渡すため、社内だけで完結する体制より接点は増えます。秘密保持契約だけに頼らず、必要最小限の権限を担当者ごとのアカウントへ付与してください。アクセス履歴を確認できる状態を保ち、契約終了時の権限停止まで決めておく必要があります。

社内にエンジニアがいなくても依頼できますか?

依頼できます。ただし、事業の優先順位を説明し、提案を実行へ移す社内担当者は必要です。社内担当者はエンジニアでなくても構いません。

経営判断と社内調整まで外部へ丸投げすると、CTO代行は機能しにくくなります。

正社員CTOを採用するまでの間だけ依頼できますか?

契約条件が合えば、期間を限った依頼も可能です。契約前に終了条件と引き継ぐ内容を決め、判断理由を社内へ残してください。正社員CTOの採用活動と並行すれば、採用結果を待つ間も技術判断を進められます。

契約途中で解約できますか?

解約条件は契約ごとに異なります。解約予告の期間、支払いの締め日、資料やアカウントの返却方法を契約前に確認してください。解約できるかだけではなく、業務を安全に引き継げるかまで確認する必要があります。

契約しない選択も、正しい判断です

CTO代行のデメリットには、稼働時間の上限、社内情報を理解するまでの時間、社外へ情報を開く必要があります。外部人材を正社員と同じ条件にはできないため、構造上の欠点は消せません。一方で、責任範囲の曖昧さ、知識の属人化、担当者選びの失敗は、契約と運用で減らせます。

実装する人だけが足りない会社や、フルタイムの技術責任者が必要な会社には、僕はCTO代行を勧めません。経営側で事業の優先順位を決められており、技術を評価する物差しが足りない会社には向いています。

初回60分の無料相談では、足りない役割が技術判断なのか実装なのかを整理します。CTO代行を頼むべきか迷っている段階で、自社に合うかを判断する材料を持ち帰ってもらえればと思います。

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